ブランド化の事例

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地域ブランドの火付け役ともいえる「関あじ」「関さば」は、大分県大分市の佐賀関漁港で水揚げされる最高級のアジとサバです。

大分県漁港の通販では、関アジ関サバ生魚2匹セットを6,300円で販売しています。

通常、スーパーに売られているアジ・サバの相場と比較するととんでもなく高いのですが、その理由は3つあります。

1.魚がとれる場所

関アジ関サバが取れる海域は、瀬戸内海と太平洋の境界に位置する「速吸(はやすい)の瀬戸」と呼ばれる豊与(ほうよ)海峡です。

海域は潮流が速く、その流れにもまれるアジ、サバは、よく身が引き締まっているといわれます。また、1年を通じてプランクトン等が豊富にあるため、本来回遊魚であるアジやサバがこの海域に住みつくというのです。

ところがこの海域は、漁をする側は大変です。潮流が速いために波が高く、海底の起伏も複雑なので、漁網を使った漁が適さないといいます。

そのため、アジやサバの漁では、伝統的に一本釣りが行われてきました。1本釣りは漁網を使った漁と比べるとコストがかかります。コストは価格に転嫁されます。どうやって付加価値を高めたのでしょうか。

2.鮮度を保つ工夫

魚は釣られる瞬間、多くのストレスがかかるといわれています。このストレスが魚の鮮度を低下させ、生臭さを増加させます。

関アジ・関サバは、釣った後生簀に放ち落ち着かせます。1日以上休ませて、出荷直前に「生けじめ」するのです。

この方法だと、死後硬直の進み方が遅く、新鮮な状態を比較的長く保つことができます。

また、競りでは、「面買い」を徹底します。

面買いとは、重量をはかって魚があばれたり、人間の手でさわって鮮度を落とすことを防ぐため、重さを量ることなく水面の魚を目で見て大きさや重さの判断をする買い方です。

3.効果的なPR

当時の大分県知事は「関アジ・関サバはおいしい」と言って回ったといいます。

また、漁港の人たちは、料亭などの調理人のところに直接出向き、実際にその場でさばいて試食をしてもらいました。

売りにしたのは、「刺身で食べられるサバ」です。

こうして関サバの魅力を伝え続けた結果、その新鮮さと品質がプロの調理人から高く評価され、噂が広まって、今では押しも押されぬ「ブランド」に育ったのです。

全国的にアジやサバは水揚げされています。

また、同じ海域のサバでも、愛媛県側で水揚げされた「岬(はな)サバ」も高い評価を得ています。

しかし、関サバと比べると差は歴然となってしまいます。

つまり、元の魚は同じであったとしても、それを徹底した管理を行うことで最高のものにするという「こだわり」が関サバのブランド評価を高めているわけです。

こうした最高のものは1つの商品分野に1つしか存在しません。つまり、オンリーワンということです。

ブランディングとは、その分野におけるオンリーワンを最初に達成することを目指すものといえます。

(参考図書:「事例で学ぶ!地域ブランドの成功法則33」 田中章雄著 光文社)

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一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
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