職場等で求められる能力について

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2006年2月、経済産業省では、職場等で求められる能力(「社会人基礎力」)を明確化し、産学連携による育成・評価の在り方等について、「社会人基礎力に関する研究会」で検討を進め、社会人基礎力の育成・評価等のための企業、学校、政府等の取組の在り方等を内容とする報告書を策定し、「中間取りまとめ」として公表しています。(06/02/08)

この報告書では、「社会人基礎力」とは、「組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」と定義されています。

昨今の、ビジネス環境は、①国内市場の成熟化(市場ニーズの多様化、商品サイクルの短期化)、②IT化の進展(単純な作業の機械化)が進んでおり、職場では、新しい価値の創出が課題となっています。

また、教育環境の変化は、家庭や地域社会の教育力の低下、大学進学率の上昇(90年の36%が04年には、ほぼ50%に)などがあげられます。

さらに、「職場等で求められる能力」については、基礎学力や専門知識に加え、コミュニケーション能力や実行力、積極性などが必要との指摘が多い中で、コミュニケーション能力等は、多様な人々との「チームワーク」により新しい価値を創出する際に必要な能力であり、職場等で重視される傾向が高まっています。

対応の方向性としては、ビジネス・教育環境の変化を踏まえると、従来、半ば「常識」とされてきた、「職場等で求められる能力」を明確にし、育成・評価することが必要としています。

現在、若者の社会人基礎力は、個人間のばらつきが拡大する方向にあるといいます。

近年、学力と社会人基礎力の相関関係が低下しており、企業においては、採用段階等において社会人基礎力を独立した要素として意識しています。

学校においては、学生の社会人基礎力のばらつきが拡大する中、従来型の教育手法では、社会人基礎力を含めた育成効果は限定的。

このような状況下、「取り組むべき課題」は何でしょうか。

報告書では、中国を始めアジア諸国では人材開発競争が活発に展開していること、国内では人口減少社会を迎える中、若者の価値観等の多様化も進展していることなどの内外の変化の下、従来以上に、社会人基礎力の育成に向け、「社会全体による新たな枠組みづくり」が早急の課題としています。また、その際には、「チームワーク」など我が国の強みを更に伸ばすことも必要としています。

さらに、社会人基礎力の具体的内容を明確化し、育成と評価に向けた一貫した枠組み作りが必要としています。

「求める人材像」等について企業と若者の認識ギャップが存在することから、「職場等で求められる能力」の具体的内容を分かりやすく示し、企業・若者・学校等を結ぶ「共通言語」をつくることが重要であり、社会人基礎力を土台とした企業・若者・学校等の「つながり」を強化することを指摘しています。

そして、社会人基礎力の育成は、学校から就職、入社後の職場での人材育成等を通じて、長期的、継続的に取り組まれることが必要で、こうした取組を効果的に行うためには、社会人基礎力の考え方に基づき、企業、若者、学校が密接なコミュニケーションを行うことが不可欠であるとしています。

それではここで、社会人基礎力の内容についてみてみましょう。

報告書では、社会人基礎力を構成する主要な能力について、「分かりやすく」、「焦点を絞ったもの」とし、かつ「具体的なイメージがわくもの」に整理することが重要であるとして、以下の項目をあげています。

①「前に踏み出す力」(アクション)」~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
・実社会の仕事において、答えは一つに決まっておらず、試行錯誤しながら、失敗を恐れず、自ら、一歩前に踏み出す行動が求められる。失敗しても、他者と協力しながら、粘り強く取り組むことが求められる。

②「考え抜く力」(シンキング)」~疑問を持ち、考え抜く力~
・物事を改善していくためには、常に問題意識を持ち課題を発見することが求められる。その上で、その課題を解決するための方法やプロセスについて十分に納得いくまで考え抜くことが必要である。

③「チームで働く力」(チームワーク)~多様な人とともに、目標に向けて協力する力~
・職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており、個人として、また組織としての付加価値を創り出すためには、多様な人との協働が求められる。自分の意見を的確に伝え、意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で、目標に向けともに協力することが必要である。

また、社会人基礎力の育成等のためには、3つの能力を構成する具体的な能力要素を明確にすることが有益として、以下の社会人基礎力の能力要素をあげています。

①主体性(物事に進んで取り組む力)                                          例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む。

②働きかけ力(他人に働きかけ巻き込む力)                                 例)「やろうじゃないか」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく。

③実行力(目的を設定し確実に行動する力)                                 例)言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。

④課題発見力(現状を分析し目的や課題を明らかにする力)                        例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。

⑤計画力(課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力)                    例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。

⑥創造力(新しい価値を生み出す力)                                        例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。

⑦発信力(自分の意見をわかりやすく伝える力)                                例)自分の意見をわかりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。

⑧傾聴力(相手の意見を丁寧に聴く力)                                    例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出す。

⑨柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)                           例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。

⑩情況把握力(自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力)                  例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。

⑪規律性(社会のルールや人との約束を守る力)                              例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。

⑫ストレスコントロール力(ストレスの発生源に対応する力)                        例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて対応する。

①~③は、前に踏み出す力(アクション)

④~⑥は、考え抜く力(シンキング)

⑦~⑫は、チームで働く力(チームワーク)

社会人基礎力により実現されるメリットは、

①若者                                                       自分の能力の特徴や適性に気付き、自らの成長を実感できる。                     自分の強みを伸ばし、能力をアピールする土台となる。

②企業                                                        求める人材像を社内及び社外に分かりやすく情報発信できる。                      採用と入社後の育成の一貫した実施により、若手人材の育成や定着を促進できる。

③学校                                                       グローバル競争に不可欠な「人的側面からの競争力」を高められる。                   「企業が求める人材」が理解できる。                                      正課の授業やキャリア教育を通じ、より適切な教育プログラムを提供できる。

④社会全体                                                    企業・若者・学校等の関係者をつなぐことにより、「共通言語」としての役割を果たすこととなる。   この結果、関係者間のコミュニケーションが促進され、採用時や就職後のミスマッチ等の社会的コストの低減につながる。

としている。

 

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このページは、記事編集が2009年6月 6日 21:08に書いたブログ記事です。

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