平成19 年度、財団法人ベンチャーエンタープライズセンターでは、NICe 登録会員である「起業支援者」「起業家・ベンチャー企業経営者」「起業予定者」それぞれに対して同様のアンケートを行い、効率的な起業支援政策の構築を目的として、起業に関する資金調達、人材確保・育成、販路開拓の課題を抽出するために「起業・起業支援環境に係る調査」が行われました。
その結果を踏まえ、起業及び起業支援環境に係るアンケート調査」報告書が公表されています。
◆起業予定者の現在の職業については、最も多いのは会社員ですが、管理職が20%(同26%)、非管理職が22%(30%)と昨年度に比べてやや減っています。
一方、その他という回答が14%(同4%)と大きく増えており、その内訳は、定年退職者や無職者、公務員等です。
◆起業に際しての課題は、一般的に多くの起業家が直面すると言われている3 大要素(資金調達、販路開拓、人材確保)があります。
起業予定者の回答で最も多かったものは「開業資金の調達」で、次いで「事業に必要な専門知識・技能の習得」「販売先の確保」となっています。
一方、起業家と起業支援者の回答で最も多かったものは「販売先の確保」で、とくに、起業家の回答では「販売先の確保」が圧倒的に多く、販路開拓への支援が必要とされていることがうかがえます。
また、「事業に必要な専門知識・技能の習得」については、起業予定者と起業家の回答に比べて、起業支援者の回答結果が低い数字となっています。
◆開業資金や運転資金の調達に関する調査では、起業予定者の56%が開業資金調達をする予定があると答え、手段としては「自己資金」が最も多いが、昨年度に比べて「公的機関の補助金や助成金」「公的機関の制度融資」など公的機関の支援制度を利用するという回答が大幅に増えています。
◆起業予定者に対して、起業に際して人材を確保する予定があるかどうか尋ねたところ、約半数があるとのこと。その方法としては、昨年度と同様に「友人・知人・親戚」「知人などからの紹介」など、身近な人材からの確保が多いが、「就職情報誌・WEBサイト・ハローワーク等の一般公募」を利用するという回答も増えており、公的制度の活用についても、38%の起業予定者が活用の予定があると回答しています。
◆販路開拓をしていく上での課題として、起業予定者から多く挙げられたものは、「他との優位性のPR 不足」「情報発信力が不足」「ビジネス提案力が不足」となっており、起業予定者自身の情報発信・PR 力の不足が課題となっていることがうかがえます。
また、「市場ニーズの把握」が困難であるという回答も多く、起業予定者にとって、情報収集の困難さも課題であることがわかります。
販路開拓において公的機関の支援制度を活用する予定があるかとの問いに対しては、26%の起業予定者があると回答したが、57%が「支援制度があることを知らない」と回答しています。
また、起業家の場合も、起業予定者と同様に「情報発信力が不足」「他との優位性のPR 不足」の回答が多かったが、「市場ニーズの把握が困難」という回答の割合は起業予定者に比べて少なく、「商社等のビジネスパートナー発掘が困難」の方が上位に挙げられている。
国や地方自治体等の人に関する支援制度を活用したことがあるかという問いに対しては、支援制度があることを知らないという回答が昨年度の90%から、今年度は61%と大きく減少したが、活用したことがあると答えた起業家が9%(同3%)と相変わらず少なく、支援制度があることは知っているが活用したことがない起業家が30%となっています。
◆起業予定者と起業家に対して、異業種の企業(起業家)との連携や提携、共同事業などに取り組む計画があるか調査を行ったところ、90%以上が「取り組む予定がある」「取り組んでみたい」と答えています。
また、既に取り組んでいる起業家が33%で、予定も含めると50%の起業家が具体的な異業種連携に取り組んでいることがわかっています。
具体的には、新技術・新商品の開発、人材育成、地域振興事業、合同セミナーの開催等が挙げられていました。
◆起業予定者や起業家が支援者・先輩起業家・異業種の起業家等と知り合うための手段としては、同様に「セミナーや講演会を活用する」「異業種交流会やイベントを活用する」という回答が最も多かったが、次に多かったのは、起業予定者の場合は「NICe を活用する」で、起業家の場合は「友人・知人から紹介を受ける」となっています。
既にある程度支援者とのネットワークがある起業家に比べて、起業予定者にとってはNICe が支援者や先輩起業家と出会うための有効な場所になっていると考えられます。
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