肥料取締法の目的について、同法第1条では、
「この法律は、肥料の品質等を保全し、その公正な取引と安全な施用を確保するため、肥料の規格及び施用基準の公定、登録、検査等を行い、もつて農業生産力の維持増進に寄与するとともに、国民の健康の保護に資することを目的とする」
としています。
◆概要
以下、肥料取締法の概要を記します。(引用:独立行政法人肥飼料検査所)
(1) 法律・制度の目的
肥料の品質等を保全し、その公正な取引と安全な施用を確保するため、肥料の規格及び施用規準の公定、登録、検査等を行い、もって農業生産力の維持増進に寄与するとともに、国民の健康の保護に資する。
(2) 法律・制度の概要
肥料を「特殊肥料」と「普通肥料」に分類している(第2条)。「特殊肥料」とは、農林水産大臣が指定した米ぬか・たい肥等で、生産・輸入に当たっては届出が必要である(第2条、第22条)。「普通肥料」とは、特殊肥料以外の肥料で、生産・輸入に当たっては農林水産大臣又は都道府県知事に対する登録又は届出が必要である(第2条、第4条、第16条の2)。
普通肥料については公定規格が定められている。公定規格では、肥料の種類毎に含有すべき主成分の最小量又は最大量、含有を許される植物にとっての有害成分の最大量、その他の制限事項(粒度や原料)が必要に応じて定められており、これをもって肥料の品質・安全性が確保されている(第3条)。
また、普通肥料の中には「特定普通肥料」として指定されるものがある。「特定普通肥料」とは、含有成分物質が植物に残留する性質からみて、施用方法によっては人畜に被害を生ずるおそれがある農産物が生産されるものとして政令で定めるものを指す(第4条第1項第4号及び第5号)。
肥料について、消費者への品質等に関する情報提供及び公正な取引の確保のため、普通肥料には保証票添付の義務がある。保証票には保証成分量、生産業者名等を記載することとなっている(第17条、第18条)。
特殊肥料のうち、その消費者が購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、施用上その品質を識別することが特に必要であるため、その品質に関する表示の適正化を図る必要のあるたい肥等については品質に関し表示すべき事項の基準が定められており、これに基づく表示が義務付けられている(第22条の2)。
肥料の品質を保全するため、生産業者、肥料を使用する農家等への立入検査の制度をとっている(第30条、第30条の2、第33条の3)。立入検査では、農林水産省若しくは、都道府県の職員又は独立行政法人肥飼料検査所が、肥料生産業者等の事業場等に立ち入り、肥料や肥料原料、業務に関する帳簿書類の検査や肥料の収去ができることとなっている。収去した肥料については、持ち帰り分析し、保証票の保証成分量とおり肥料成分が入っているか等を検査し、その結果を公表することとなっている。
◆定義
肥料取締法では、以下の定義を用いています。
1.肥料
植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土じように化学的変化をもたらすことを目的として土地にほどこされる物及び植物の栄養に供することを目的として植物にほどこされる物をいう。
2.特殊肥料
農林水産大臣の指定する米ぬか、たい肥その他の肥料をいい、「普通肥料」とは、特殊肥料以外の肥料をいう。
3.保証成分量
生産業者、輸入業者又は販売業者が、その生産し、輸入し、又は販売する普通肥料につき、それが含有しているものとして保証する主成分(肥料の種別ごとに政令で定める主要な成分をいう。以下同じ。)の最小量を百分比で表わしたものをいう。
4.生産業者
肥料の生産(配合、加工及び採取を含む。以下同じ。)を業とする者をいい、「輸入業者」とは、肥料の輸入を業とする者をいい、「販売業者」とは、肥料の販売を業とする者であつて生産業者及び輸入業者以外のものをいう。
◆政令で定める主要な成分
1.三要素系肥料
(1)窒素質肥料(有機質肥料(動植物質のものに限る。以下同じ。)を除く。)
①窒素(窒素全量、アンモニア性窒素又は硝酸性窒素をいう。以下同じ。)
②窒素及びアルカリ分等(アルカリ分(農林水産大臣の指定する有効石灰又は農林水産大臣の指定する有効石灰及び有効苦土をいう。以下同じ。)又は農林水産大臣の指定する有効けい酸、有効苦土、有効マンガン若しくは有効ほう素をいう。以下同じ。)
(2)りん酸質肥料(有機質肥料を除く。)
①りん酸(りん酸全量又は農林水産大臣の指定する有効りん酸をいう。以下同じ。)
②りん酸及びアルカリ分等
(3)加里質肥料(有機質肥料を除く。)
①加里(加里全量又は農林水産大臣の指定する有効加里をいう。以下同じ。)
②加里及びアルカリ分等
(4)有機質肥料
①窒素、りん酸又は加里
(5)複合肥料
①窒素、りん酸及び加里
②窒素及びりん酸
③窒素及び加里
④りん酸及び加里
⑤窒素、りん酸及び加里並びにアルカリ分等
⑥窒素及びりん酸並びにアルカリ分等
⑦窒素及び加里並びにアルカリ分等
⑧りん酸及び加里並びにアルカリ分等
2.その他の肥料
(1)石灰質肥料
①アルカリ分
②アルカリ分及び農林水産大臣の指定する有効苦土、有効苦土、有効マンガン又は有効ほう素
(2)けい酸質肥料
①農林水産大臣の指定する有効けい酸
②農林水産大臣の指定する有効けい酸及びアルカリ分又は農林水産大臣の指定する有効苦土、有効マンガン若しくは有効ほう素
(3)苦土(くど)肥料
①農林水産大臣の指定する有効苦土
(4)マンガン質肥料
①農林水産大臣の指定する有効マンガン
②農林水産大臣の指定する有効マンガン及び有効苦土
(5)ほう素質肥料
①農林水産大臣の指定する有効ほう素
②農林水産大臣の指定する有効ほう素及び有効苦土
(6)微量要素複合肥料
①農林水産大臣の指定する有効マンガン及び有効ほう素
②農林水産大臣の指定する有効マンガン、有効ほう素及び有効苦土
◆公定規格
~副産複合肥料の例~
副産複合肥料とは、食品工業又は化学工業において副産されたものであつて、窒素、りん酸又は加里のいずれか二以上を含有するものをいいます。
※含有すべき主成分の最小量(%)
一 窒素、りん酸又は加里のいずれか二以上の主成分の量の合計量 5.0
二1 窒素全量を保証するものにあつては窒素全量 1.0
2 アンモニア性窒素を保証するものにあつてはアンモニア性窒素 1.0
三1 りん酸全量を保証するものにあつてはりん酸全量 1.0
2 く溶性りん酸を保証するものにあつてはく溶性りん酸 1.0
3 可溶性りん酸を保証するものにあつては可溶性りん酸 1.0
4 水溶性りん酸を保証するものにあつては水溶性りん酸 1.0
四1 加里全量を保証するものにあつては加里全量 1.0
2 く溶性加里を保証するものにあつてはく溶性加里 1.0
3 水溶性加里を保証するものにあつては水溶性加里 1.0
五 く溶性苦土を保証するものにあつてはく溶性苦土 1.0
※含有を許される有害成分の最大量(%)
窒素、りん酸又は加里のそれぞれの最も大きい主成分の量の合計量の含有率1.0%につき硫青酸化物 0.005
ひ素 0.002
亜硝酸 0.02
ビウレット性窒素 0.01
スルファミン酸 0.005
カドミウム 0.000075
※その他の制限事項
一 植害試験の調査を受け害が認められないものであること。
二 牛の部位を原料とする場合にあつては、せき柱等が混合しないものとして農林水産大臣の確認を受けた工程において製造されたものであること。
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