農地法等の一部を改正する法律について

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 2009年6月17日、農地法等の一部を改正する法律が成立いたしました。施行は2009年12月末までに行われる見通しとなっています。

同改正法は、「農地耕作者主義」をやめ、「効果的および効率的な農地の利用」を目指すとしています。

農地の賃借権が原則自由となり、企業でも個人でも「農地を適正に利用」することで、そこに住んでいなくとも原則自由に農地を借りることができます。

主な改正点は、                                                     ①利用期間(賃借期間)を20年間から50年間へと変更、                            ②従来の農業従事者だけでなく企業も借地を行う事ができる、(ただし企業が借地する場合は、「農業に常時専従する者」を一人以上役員とする)                                 ③違法な利用や転用は罰金最高300万円から1億円に                              等があげられます。

農林水産省では、平成17年9月、担い手を育成・確保し、食料供給の基盤である農地を担い手に対して集積するため、農用地利用規程の拡充と農地保有合理化事業の強化を行いました。

1.農用地利用規程の拡充

農業の担い手の高齢化が進み、後継者が不足し、また、相続の発生により誰が農地を管理していくか深刻な問題となっています。

このため、集落内の農家全体で協力し合って農業を営むことが期待されました。

この「集落営農」については、集落において農地の利用調整等についてまとめた農用地利用規程を定め、市町村の認定を受ける仕組みが設けられました。

前回の制度改正では、この農用地利用規程について、新たに、集落における営農の将来像や集落における担い手への農地の集積目標を定めることとするなど、その仕組みを充実させています。

これにより、地域の話し合いと合意形成に基づいて、集落全体が一つの経営体として発展していくことが期待されました。

2.農地保有合理化事業の拡充による農地の仲介機能の強化

農地保有合理化事業とは、公的な法人である農地保有合理化法人が農地の買入れや借入れを行い、その農地を担い手に売渡しや貸付けを行う事業です。

農地保有合理化法人が農地の出し手と受け手の間に入り、農地を一時的に保有し再配分することで、貸付希望時期のズレの解消や貸付農地の集団化など、担い手に対し、円滑かつ効率的に農地を集積することができるとしていました。

前回の制度改正では、農地保有合理化法人が、農業生産法人に対し、農地の売渡しや貸付けに併せて金銭出資することを可能にしました。

これにより、農業生産法人にとっては、機械・施設の更新・増設のための資金調達が容易になり、規模拡大が進むことが期待されていました。

さらに、農地の貸付信託事業を創設しました。

この事業は、農地保有合理化法人が農地所有者から委託を受け、その農地を第三者に貸し付けて運用し、農地所有者に運用益から配当を支払っていくものです。

なお、本事業は、信託終了後、農地所有者の手元に確実に農地が戻るため、農地所有者は安心して農地を信託することができます。

このような新たな仕組みを通じ、担い手に対する農地の利用集積を進められました。

~市町村等の行う農業生産法人以外の法人に対する農地の貸付(リース)制度の創設~

平成15年4月より、農地の遊休化が深刻な市町村等においては、内閣総理大臣の認定を受けて構造改革特別区域が設定されました。

その区域内では、市町村や農地保有合理化法人(農地の仲介を行う公的機関)が、一般の株式会社やNPO法人といった農業生産法人(農地法上、農地を買ったり借りたりすることが認められている法人)以外の法人に対し、農地の貸付け(リース)を行うことを可能にしています。

このリース特区制度を活用し、地場の建設業者が余剰労働力の有効活用を図るために農業経営を行う事例や、ワイン業者が、品質の高いワインの生産を目指し、原料用のぶどう栽培から醸造、販売までを一貫して行う事例をはじめとして、平成17年5月1日現在で107法人が営農を開始しました。

前回の改正では、このリース特区制度を、構造改革特区内に限ることなく、全国において実施することができるようになりました。

新たな制度では、市町村自らが、農地の相当部分が遊休化したり、今後遊休化するおそれがある地域のうちから、農業生産法人以外の法人に対して農地の貸付けを行うことができる区域を設定します。

その上で、市町村等と農地を借受けようとする法人が、きちんと農業を行う旨の協定を締結し、市町 村等が農地の貸付けを行います。仮に、農地を借受けた法人が協定に違反してきちんと農業を継続しなかった場合には、リース契約を解除することができる仕組みとなっています。

~体系的耕作放棄地対策の整備~

前回の改正時には、耕作が行われず遊休化している農地(遊休農地といいます。)が増加の一途をたどっており、その面積は、東京都の面積の1.5倍に相当する34万ヘクタールにも上るとされていました。

この遊休農地の発生防止や解消に向け、従 来から様々な取組が行われてきました。

しかし、依然として遊休農地の増大に歯止めがかからず、地域の農業に多くの支障を及ぼすようになっています。

この問題を解決するため、遊休農地に関する措置を拡充・強化す るとして、次の措置が講じられました。

1.遊休農地解消プランの策定

遊休農地を解消するためには、地域が一体となって取り組む必要があります。このため、都道府県が遊休農地の解消に向けた方針を示し、その方針に沿って、市町村が具体的なプランを定めることにしました。

2.遊休農地の解消に向けた措置の内容

まず、市町村プランの中で、遊休農地のうち今後もきちんと活用すべき農地と位置付けられたものについては、地域の農業委員会が従来にも増して積極的に指導を行うことにしました。

この指導にもかかわらず、遊休農地の所有者等が適正に利用しない場合には、市町村長が今後の利用計画の届出を求めるとともに、提出された利用計 画の内容が不十分な場合には、遊休農地の適正な利用に向けた勧告を行います。

また、遊休農地の所有者等が、この勧告にも従わず、遊休農地が放置されたままの場合には、市町村長が農地保有合理化法人(農地の仲介機能を持つ公的な法人)等を指定し、勧告を受けた遊休農地の所有者等と、農地の借り受けを求める話し合いをすることができることになりました。

この話し合いが整わなかった場合には、都道府県知事が調停を行うことができます。

さらに、調停によっても話し合いの調整が付かない場合には、今後もその遊休農地が放置され続けることが確実かどうかといった諸事情を考慮し、必要な限度において、都道府県知事が遊休農地の所有者等に対し、農地保有合理化法人等へ農地の貸付けを行わなければならない旨の裁定を行うことができるようなりました。

このように、都道府県、市町村、農業委員会がスクラムを組んで遊休農地の発生防止・解消に取り組んでいくことになりました。

3.措置命令制度の創設

この他、遊休農地は、病害虫の温床となったり、土砂の崩壊等を引き起こしたりして、周辺の営農条件に著しい支障を及ぼすことがあります。

このように、遊休農地が周辺に及ぼした支障を緊急に取り除く必要がある場合には、 市町村長が、遊休農地の所有者等に対し、遊休農地の草刈り等、支障の除去のために必要なことを命ずることができることになりました。

以上が、平成17年の主な改正内容です。

そして今般、新たに「農地法の一部を改正する法律」が可決されています。

その背景には、

1.穀物価格の高騰や輸入食料品の安全性への不安                                2.食料の多くを海外に依存している我が国においては、国内の食料供給力を強化する必要       3.水田等を最大限に活用する対策等を一層促進

があり、農業生産・経営が展開される基礎的な資源としての農地を確保し、その有効利用を図っていく必要があることとしています。

しかしながら、現状では、                                                      1.担い手への集積が十分に進まない                                      2.規模拡大しても農地が分散                                           3.受け手不在で耕作放棄が増加                                        4.我が国の農地面積はピーク時の約7割にまで減少(609万ha→463万ha)                等の課題があり、さらに、農業生産による収益水準を上回る農地価格に対し、農地転用期待が生じています。

そこで今回、農地を貸しやすく、借りやすくし、農地を最大限に利用することを目的として、農地制度の見直しが図られることになったわけです。

農地法の目的等の見直しについては、「農地は耕作者自らが所有することを最も適当とする」との考え方を、「農地の効率的な利用を促進する」考え方に改めるとともに、農地が地域における貴重な資源であること、地域との調和に配慮した権利の取得を促進すること等を明確化しています。

また、農地について権利を有する者の責務として、「農地の適正かつ効率的な利用を確保しなければならない」旨が明確化されています。

農地の面的集積の促進については、市町村、公社等の公的な信用力のある機関が、委任を受け、分散した農地を面的にまとめる仕組みを全ての市町村で導入するとしています。

農地を利用する者の確保・拡大については、                                   ①貸借規制を緩和し、会社、NPO等が参入しやすくするとともに、農村集落において、非農家も含めた構成員による集落営農法人をつくりやすくする等貸借による利用を拡大                 ②農業生産法人への出資について、農外との連携による経営発展に資するよう外部からの出資規制を緩和(1/10以下の廃止、農商工連携事業者等の場合1/2未満)                         ③農協による農業経営は、従来、組合員との関係で制限していたが、組合員の合意で貸借により可能になります。

遊休農地対策の強化については、所有者が分からない遊休農地についても知事の裁定で公社等が利用できるよう措置が講じられます。

農地税制の見直しについては、農地制度の見直しを前提として、農地の相続税の納税猶予制度を見直し農地を貸すと打ち切りになった納税猶予を、他の人に貸した場合でも適用を受けられるようになります。

これ以上の農地の減少を食い止め、農地を確保するために、                         ◇農地転用規制の厳格化                                              ①病院、学校等の公共施設への転用についても、許可不要から協議制へ                  ②違反転用に対する罰則を強化(法人:300万円→1億円)                           ◇農用地区域内農地の確保                                              担い手により利用されている農地等は、農用地区域からの除外を認めない                  としています。

貸借等による利用の促進ならびに転用期待の抑制から、国内の食料生産の増大を通じ国民に対する食料の安定供給を確保するとしています。

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このページは、記事編集が2009年7月12日 14:30に書いたブログ記事です。

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