農業会計の処理をパソコンで行う場合、計算処理はしてくれますが、入力されたデータまで自動的に修正してくれません。
間違ったデータを入力すれば当然間違った出力がなされるので、経営状況を診断しようとしても、正しい財務分析ができないという落とし穴があります。
入力の間違いはいろいろなところに発生します。特に取引のすべてを記載する「仕訳記録」での入力ミスは致命的ですので、簿記の仕組みをある程度理解することは必須です。
「簿記」の最も簡単な形は「金銭出納帳」です。こどもの小遣い帳などはこのスタイルです。金銭出納帳は次のようなスタイルとなっています。
月日 摘要 収入金額 支出金額 差引残高
4月20日 野菜の販売 200,000 200,000
4月22日 肥料の購入 80,000 120,000
4月24日 パソコンの購入 100,000 20,000
「金銭出納帳」は、取引の収入と支出のみに着目した記帳方式で、収入合計と支出合計から損益を求めることに主眼が置かれています。
こうした収支計算書のスタイルをとっているものを「単式簿記」あるいは「簡易簿記」と呼んでいます。
ところで、4月24日の取引をみると、財産の増減でみると2つの側面があります。ひとつはパソコンの購入時に現金で支払ったとすると、現金10万円が減少していること、もうひとつはパソコンを取得したので、パソコンという資産が増加したことです。
このように、1つの取引とみられるものの中にも、実は2つの側面があります。これを取引の二面性といいます。「複式簿記」は、取引の二面性を正確に表現できる「正規の簿記」となります。
また、4月22日の肥料の購入の場合、支払方法がどうかによって分類が異なります。現預金から支払えば「資産」が減少しますし、掛け買いならば「負債」が増加します。
「単式簿記」では、会計年度全体の損益はわかっても、財産の状態(資産や負債の状況)はわかりません。
上記取引を「複式簿記」のやり方で仕訳すると、
4月20日
〈貸方〉現金 〈借方〉野菜売上高 〈金額〉200,000
4月22日
〈貸方〉肥料代 〈貸方〉買掛金 〈金額〉80,000
4月24日
〈貸方〉備品 〈貸方〉現金 〈金額〉100,000
のようになります。
「仕訳」とは、取引で発生する勘定科目を一定の法則に従って分類することで、取引がどのような勘定科目に該当するかを判断することが重要です。
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