農業会計貸借対照表における勘定科目の例

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【流動資産】

1.現金

現金の出納を処理し、残高を明確にして、現金残高と一致させておく必要があり、税務申告においては、全ての現金取引を明確に記録した金銭出納帳が義務づけられています。内容は、現金、小切手が該当します。

2.普通預金

営農資金の受け払いに、いつでも利用できる当座性預金(貯金)で、帳簿残高と通帳残高を一致させておく必要があります。内容は、普通貯金、(営農・総合口座、営農ローン契約をした赤残高も含む)が該当します。

3.定期預金

運転資金とは別に、将来設備投資等に利用する資金を預金しておく定期性預金です。内容は、定期貯金、定期積金です。※生活費・教育費等を目的とした定期貯金等はこれには該当しません。事業主勘定を使います。

4.その他預金

上記以外の預金口座をいいます。内容は、出資予約貯金、当座貯金、別段貯金です。

5.売掛金

生産物販売代金の未収の発生と回収で、 実務的には、出荷の都度売掛金には計上せず、入金を待って記帳するが、決算時には期中に出荷した生産物は、原則としてすべて売掛金に計上します。内容は、ア.農産物(米・野菜・果実・花卉など)イ.畜産物(肥育牛・子牛・乳代など)です。

6.仮払金

勘定科目や金額が、未確定のとき支出を一時的に計上する仮勘定です。 これはなるべくすみやかに適当な勘定科目に振り替える必要があります。内容は、建物・構築物等の完成時までの出来高払いや材料費などです。

7.未収金

生産物以外の未収の発生と回収のことです。内容は、堆肥、稲ワラ、廃牛、賃料、作業受託料などです。

8.前渡金

商品、原材料等の購入のために代金の一部または全部を前もって支払った場合に、その金額を計上します。内容は、葉たばこ栽培の資材購入資金などです。

9.仮払消費税

①商品、原材料等の購入代金に係る消費税を計上します。 ②年間課税売上高が3,000万円以下(前々年)の農家は免税業者となりますので、この勘定科目は使用しません。

10.(棚卸資産)

10‐1 農産物

10‐2 販売用動物

10‐3 未収穫農産物

10‐4 肥料その他の貯蔵品

- 説明 -

①会計年度末(通常は12月3 1日)現在の農産物、仕掛品(生産途中の作物、家畜)、資材などを品目毎に棚卸表を作成して、その評価額を計上します。

②決算処理の場合、期首棚卸高は貸方へ、期末棚卸高借方へ計上します。

③生鮮野菜等(すべての野菜、収穫時から販売時までの期間が比較的短い果実)は棚卸をしなくても良いこととなっています。

④毎年同程度の作付や、少量・少額のものは、棚卸を省略することができます。

- 内容 -

ア.農産物(玄米、みかん、生姜、馬鈴薯など)

イ.仕掛品(田、畑、ハウス等にある未収穫農産物に用した種子、肥料、農薬、加温用燃料代など。また、販売を目的に飼養している牛豚等に用した素畜費、飼料代など)

ウ.資材(肥料、農薬、飼料、燃料、ビニールなど)

11.育成中動物

販売を目的としないで、自己の経営で使用することを目的に飼育している未成畜にかかる費用を計上します。成熟して固定資産科目の「成畜」に振り替えます。内容は、ア.繁殖用牛・豚等(雄、雌共)イ.未経産牛(乳牛)の飼育に要した費用です。

12.育成中植物

成熟前の果樹等の育成に用した費用を計上します。成熟して固定資産科目の「成園」に振り替えます。内容は、果樹・お茶・桑園等を育成する費用(苗木、肥料、農薬、植え付け費用など)です。

13.出資金

農協等への出資金です。JA・酪農組合・花き組合・森林組合・農事組合法人などがあります。

14.保険積立金

積み立てで、将来返金が可能な積立金。※個人的な保険や家計費に相当する部分については、事業主勘定を使用します。

15.事業主貸

家族経営では、経営と家計とのやりとりが多いですが、農業経営財産を家計へ引き出す場合に計上します。この記帳をルーズにすると、帳簿残高と実残高が合わなくなり、複式簿記の意味がなくなります。内容は、ア.家計費、年金掛け金、国民健康保険税、県民税、市民税所得税、固定資産税で経営資産に係る以外の資産に課せられるもの。(住宅、宅資地など)イ.自家消費した生産物、経営に用しない借入金や商品代金の返済(住宅ローン・教育ローン・生活用資材など)ウ.電話・電気・水道代等の自家消費分などです。

【固定資産】

1.土地

経営用の土地取得、売却、造成等による増加等を計上します。開始貸借対照表を作成するときは取得価格を、取得価格が不明のときは固定資産評価表を計上します。なお、固定資産税の評価替えがあっても変更しません。※土地は、減価償却できません。内容は、田、畑、飼料畑、採草放牧地等の土地の造成費用、土地改良区の賦課金で、受益者負担金の元金償還部分などです。

2.建物

経営用の建物の新・改築、売買、大修理、除去、減価償却費等の価額を計上します。 家計用と共用している場合は、使用割合で計上します。内容は、納屋、倉庫、車庫、作業所、畜舎などです。

3.構築物

経営用の構築物新築、売買、大修理、除去、減価償却費等の価額を計上します。内容は、取得価格10万円以上のハウス・貯水池・井戸・浄化槽・果樹だな・牧さく・道路などです。

4.機械・装置

経営用の機械や装置の取得、大修理除去、売却(下取り含む)、減価償却費等の価額を計上します。内容は、取得価格10万円以上の農業機械・建物付属設備などです。

5.車両運搬具

経営用の車両の取得、大修理、除去、売却(下取り含む)、減価償却費等 の価額を計上します。車の購入時に要する登録諸費用は、租税公課・共済・保険費等の費用科目で計上します。内容は、取得価格10万円以上のトラック・ダンプ・ライトバンなどです。

6.工具器具備品

経営用の工具・機具や備品の取得、大修理、除去、売却(下取り含む)、減価償却費等の価額を計上します。内容は、取得価格10万円以上の電気機器・事務機器・通信機器などです。

7.牛馬等

①成熟した牛、豚等の取得、育成中動物からの編入、売却、死亡、減価償却費等の価額を計上します。

②育成中動物からの編入時期については、原則として乳牛は初産以降とし、繁殖牛は初回種付け時をもって行います。

③税法では、牛は満2歳をもって成牛と見なしてよいことになっています。豚は、繁殖用満1歳、種付け用満2歳。

内容は、繁殖用牛、豚等(雄、雌共)、経産牛(乳牛)となっています。

8.果樹

①成熟した果樹等の取得、育成中植物からの編入、売却、定除去、減価償却費等の価額を計上します。

②育成中植物からの編入時期については、原則として果実ができるようになっても、それによる期間収益が期間費用を償うようになった年度以降をもって行います。

内容は、ア.果樹、茶樹、桑樹。イ.税法での編入時期については、「生物(牛・馬・果樹など)の育成成熟一覧表」を参照となっています。

9.繰延資産

バラの親株などの取得費で、その効果がその年だけでなく翌年以降に及ぶものは、償却費の額だけ必要経費に算入することになります。 3~5年の範囲で全額償却できます。内容は、ア.取得価格10万円以上野バラの親株など。イ.10万円以上で圃場へ客土をした場合などとなっています。

10.(無形固定資産)電話加入権等

収益性のある権利の取得、償却費等の価額を計上します。 通常、定額法により全額償却できます。内容は、水利権、借地権、特許権などです。

【流動負債】

1.買掛金

経営に用する資材、素畜等の掛購入による発生と支払を計上します。この場合、購入代金を現金や預金で支払ったときに買掛金に計上せず、直接、現金や預金科目で計上する方法もありますが、掛けで購入した場合は、購入日(取引日)に買掛金に計上します。内容は、肥料・飼料・農薬・燃料・苗木・牛・豚などの購入代金です。

2.未払金

資材、素畜等以外の一時的債務の発生と支払を計上します。内容は賦課金、負担金、部会費、利用料などです。

3.短期借入金

返済期限1年以内の借入金の借入と返済を計上します。内容は、手形借入金(信用、貯金担保)などです。

4.預り金一時的に預かっている金額を計上します。内容は、専従者給与の源泉徴収税などです。

5.前受金

生産物の販売代金をJA等から前払い(概算払い)で受け取ったときに計上します。精算時に前払いで受け取っていた金額は、差し引いて振り込まれますので、前受金を借方に計上します。

6.雑負債

どの負債科目にも属さない流動負債を計上します。

7.仮受消費税

生産物販売代金等に係る消費税を計上します。年間課税売上高が3 ,000万円以下の農家は、免税業債者となりますので、この勘定科目は使用しません。内容は、市場、JA等から振り込まれる販売代金です。

【固定負債】

1.長期借入金

返済期限1年以上の借入金の借入と返済を計上します。内容は、証書貸付金(近代化資金、農林公庫、共済約款定貸付金、営農資金など)です。

【資本】

1.事業主借

家族経営では、経営と家計とのやりとりが多いですが、家計から経営の費用を立て替えた場合に計上します。経営用の預金に経営外収入(非課税の収入を含む)や、家計の資金が入金になったものを計上します。ただし、農業収入には該当しなくても、一時所得等に該当するものがありますので、金額や内容を整理し、詳細については、税務署等に確認する必要があります。内容は、米のとも補償金で国が支出した部分(約半分)、出資配当金、預金利息、生命共済の割戻金などです。

2.元入金(資本金)

簿記の開始に当たって、資産合計から負債合計を差し引いた金額を資本金としておき、次年度繰越時にこの資本金資と当期の事業主貸、事業主借、当期純利益を加減算して計上します。

3.当期純利益

当期純利益=総収益-総費用
当期純利益=資産合計-負債合計-資本(資本金+事業主借)

(参考:JAさせぼ勘定科目一覧表)

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謹んで
震災のお見舞いを
申し上げます

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この度の東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
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