清酒の販売動向

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清酒の販売(消費)動向をみると、清酒の課税数量は、昭和48 年度をピークに、その後一貫して減少傾向にある。

昭和48 年には酒類全体において28.7%を占めていたシェアが、平成元年度には15.4%に、さらに平成15 年度は8.8%にまで落ち込んでいる。

成人一人当たりの消費量は最盛期の昭和48 年度には22.5ℓであったが、平成15 年度は8.1ℓに激減している。

清酒の地位低下の背景には、生活様式の変化、若者を中心とする低アルコール志向と清酒離れ、健康志向によるワイン・焼酎への流出、清酒製造業者のマーケティング力の弱さ、流通業者等における提案力の弱さ等が影響していると考えられる。

他の酒類に目を転じると、清酒の地位の低下と対照的に、焼酎の躍進が目立っている。

昭和48 年度の消費量が2.6ℓあった焼酎は、近年の芋焼酎を初めとするブームの追い風もあり、一人当たりの消費量も平成15 年度には9.1ℓと3倍以上になり、シェアも3.3%から10.3%に上昇した。

ビールは数量的には長期間、酒類の70%程度のシェアを保っていたが、平成10 年以降は急激にシェアを下げ、平成15 年度は41.3%となった。

同年では経済性の強い発泡酒が26.4%とシェアを広げ、ビールの市場を奪っている形となっているが、落差分の一部分は、リキュールやスピリッツが着実に成長し、シェアを獲得している。 

ここ10 年はワインなど果実酒の台頭も目覚しく、ブーム後においても平成15 年度には2.7%と一定のシェアを占めるようになっている。

酒類全体の年間消費数量は、成人一人当たり平成15 年度では89.7ℓと10 年前に比べて10ℓ以上の減少となっており、国民は確実に飲酒量を減らしていると言え、さらには低アルコール志向の存在もあり、当然アルコール飲料に対する意識も変化しているものと考えられる。

ここで述べた数値は酒類の課税数量・販売数量ベースであり、実際の市場価格は反映していない。

市場価格は平成初期から始まった価格破壊、そして長引く不景気を契機としたデフレ・スパイラルの影響を受け、大幅に下落している。

酒類の総需要の減少、国民の嗜好性の変化と市場価格の下方展開は小売店にとどまらず、酒類業界全体に影響している。

清酒は、酒税法によって使用できる原料が定義されており、「米を必ず使用するということ、"こす"という工程が必ず入っていること」がその大きな特徴である。

清酒の製法品質基準により「特定名称酒の8種」とその他の「普通酒」に種類が定められている。

流通は比較的シンプルで、酒造メーカー ⇒ 元卸 ⇒ 卸問屋 ⇒ 酒小売店・量販店・コンビニエンスストアなどの流れが中心で、最近ではメーカー直での通販やインターネットショップといった無店舗販売の形態も増えてきている。

近年は焼酎やワイン、発泡酒、第3のビールなどの消費増によってそのシェアを奪われつつある状況だが、日本古来の嗜好品であり、根強い愛好者の層が存在する他、海外でも「SAKE」の評判は上がりつつある。

清酒全体の消費量は減少傾向にあるものの、60%以下に精米した白米を原料とし、低温で発酵させて醸造した「吟醸酒」などの高級品が占める割合は年々高くなっている。 

清酒は過去何度かの地酒ブームを経ながらも、ブームを消費の拡大につなげることができなかった

ブームの間、消費者の本質的なニーズを徹底的に研究することはなかったため、ブームを継続的な需要に結び付けることができず、せっかくの機会を逸してきたといえる。

清酒の需要構造は、主に中高年の清酒愛好家層に依存する形となっている。

過去において期待できた年齢が上がるにつれて清酒の消費量が増えるという加齢効果は作用しなくなってきており、加えて、若者を中心に清酒離れが進行しているため、一朝一夕には需要拡大は見込めない状況である。

このように需要構造の面からも、清酒製造業界は厳しい場面にある。

伝統的なビジネスモデル「良いものを造れば、卸が売ってくれる」が通用しなくなったことを認識し、新たな取組に着手しなければならない状況にある。

小規模酒造メーカーの強みを生かした営業展開は、以下のような方策が考えられる。

※地域密着型営業

  • 小売店にとって日本酒は、比較的大きな売上げ単価と利益となる商材である。
  • 地域小売店に対するリテールサポート機能を強化、地域特性を踏まえたアドバイスを実施する。
  • 小売店のレジの販売データとエリアの市場データを照らし合わせることで売場を分析し、問題点を抽出、課題解決となる販売促進案や売場の商品構成の提案を行う。
  • 自社商品の案内や価格の交渉はもちろん大切だが、一歩踏み込んだ売場提案をすることで、小売店との信頼関係を強化する。

※提案型営業

  • 最近では、お酒は酒類売場だけで販売されるものという意識は変化してきている。
  • 特定の生活テーマのもと関連商品を揃えた売場を演出し、顧客にアピールする販売手法が取られている。
  • 他の食材と日本酒を関連させた売場を企画・提案することで、お酒売場以外でも日本酒を手にとって頂く機会を増やす。

※卸店とのタイアップ

  • 卸店とタイアップを図り、地域に密着して販売されている得意先に対して、改めてアプローチするプロジェクトを進める。
  • 地域ごとに販売データを分析し、売場提案や用途提案を実施する。卸店との関係強化につなげ、新たなチャンスを作り出す。

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