1.人件費係数
まずは、現状把握のために、自社の人件費係数を算出する。
人件費係数を算出するには、現金給与総額と現金給与以外の人件費の合計額を月額給与総額で割って求める。
①現金給与総額
- 基本給
- 諸手当(家族手当、技能手当、 役職手当など)
- 通勤手当
- 残業手当
②現金給与総額(賞与)
- 賞与÷12
③現金給与以外の人件費
- 法定福利費(会社負担の社会保険料、 労働保険料)
- 法定外福利費(住居、労災付加給付、 慶弔見舞,財形奨励金など)
- 退職金
- 教育訓練費
- 募集採用費
人件費係数=(①+②+③)÷基本給
通常、人件費係数は 1.6~1.8程度が望ましいとされており、数値が1.6未満または、1.8を超える場合は一度見直しをする必要がある といえる。
また、以下の算式により、個々の従業員の利益貢献度を明らかにすることができる。
(①+②+③)÷1月当たりの総労働時間数
中・長期計画における人件費計画は、今後5年間の人件費係数をどうしていくかを考えることといえる。
この人件費係数を、年々上げていくとしても、経営方針に基づいて、月額給与を高くして福利厚生予算を低く設定するのか、福利厚生を充実させるのかは、各社の実情に合わせる必要がある。
また、人件費係数を上げるということは、社員数が同じでも、人件費総額が上がるという事実に注意が必要である。
2.昇給率
日本の企業では、年齢や勤続年数などに応じて定期的に基本給をあげていく「定期昇給」と、物価の上昇にあわせて全従業員の賃金水準を底上げする「ベースアップ」を組み合わせて昇給を行う会社がほとんどである。
今後5年間の昇給率目標は、毎年春闘が終わると発表される賃上げ率を参考にしながら、自社の過去3年間の昇給率と賃金水準に基づいて決定する。
注意しなければならないのは、昇給率はむやみに変えないことである。
業績が良いときは、頑張っている社員に報いたいと思うのが人情だが、その場合は単年度の賞与で還元する。
今後はますます経営環境が厳しくなると予測されている。
そのような状況下、思いつきで給与を決定するのはあまりにも危険すぎる。
これからは、「最少の人件費で最大の利益をあげる」ことを念頭におき、人件費総額をコントロールしていく必要がある。
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