ここでは、財務管理で「転ばぬ先の杖」を考えるために、倒産のパターンを検証してみます。
企業倒産の原因は様々ですが、財務的な視点で整理すると、
①BS(バランスシート)が原因、②PL(損益計算書)が原因、③キャッシュフロー(資金繰り)が原因、で 倒産する3つのパターンがあります。
①BS(バランスシート)が原因
「何を今さら・・・」という声もありそうですが、まず、バブル期を振り返ってみます。
バブル期には、多くの企業が銀行からの借金を元手に不動産や株式に投資をしたため、日本企業のバランスシートは資産と負債とが両建てで膨らみました。
当時は、不動産や株が購入価格以上の値で売れれば、金利を払い元本を返してもまだおつり(利益)が出たのです。
バブルがはじけると、資産価値が下がりましたが、一方の借入金はそのままです(利息があるので支払金額は増加)。
この結果、資産と負債がバランスせず、借入金を返せなくなってしまうケースも発生しました。
BSのスリム化を進め、選択と集中で乗り切ってきた企業もあるのですが、現在まで過去の資産を保有しているという企業も少なくないかもしれません。
BS改善をせずに、売上拡大や分社化など攻めの戦略を採用して乗り切ってきたが、リーマンショック後、急激に厳しくなったということはないでしょうか。
②PLが原因
BSが原因で倒産するパターンは、創業間もない企業やベンチャーにとってはあまり現実的ではなく、PLが原因で倒産するパターンが多いようです。
本業の赤字が続いて債務超過に陥るパターンが多く、累積損失が資本の金額を上回り、資本がマイナスになって、企業の純資産がマイナスになる状態です。
事業が赤字になる原因はいろいろあるでしょうが、財務的に見れば売上予測を誤り、固定費をかけ過ぎた状態です。
売上を甘く予測(期待)して、過大な設備投資をしたり、過剰な人員を採用したり、経費を水ぶくれさせてしまう、いわゆる放漫経営といわれるものです。
③キャッシュフローが原因
事業は順調で、特に含み損を抱えた資産もない、一見なんら問題が見られないケースでも倒産はあり得ます。それがキャッシュフローが原因で倒産するパターンです。黒字倒産、「勘定合って銭足らず」の状態です。
事業活動は一般に入金よりも支払が先行します。売上を上げるには、その前に商品や原材料を仕入れ、人員を雇わなければなりません。
売上代金回収の前にこれらに対する支払が生じるのです。事業が成長する段階ではこの先行支払額(運転資金)もかさんできます。
事業自体は順調に推移していても、もし運転資金を必要なタイミングで手当てできなければ、その事業サイクルはそこでストップしてしまいます。
・・・この3つのパターン、どこに倒産の予兆が出るかというと「決算書」です。
それぞれの決算書に目を配って、「予兆」のうちに芽を摘んでおくことが求められます。

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