地元で人気のA商品。「あなたのお店で取り扱ってみませんか」とのオファーがあったとします。
A商品を扱うことによって売上増加が期待できますが、気になるのは粗利益10%と低く、他の商品に比べて保管や販売方法にやや手間がかかりそうということです。
A商品の販売単価は500円で、1日100個程度なら現在の人員で対応できそうですが、それを超えると増員するせざるを得ない状況となりそうです。
粗利益率の低いA商品の販売によって全体の利益率が下がり、利益額も減ってしまうのではないか・・・。また、人員増により人件費が増えてしまうのではないか・・・。さらに、店員がA商品の販売に混乱し、作業効率が下がりはしないだろうか・・・。一方、A商品の販売により新たな顧客が来店し、他の商品も買ってくれるような相乗効果も期待できる・・・。
ここでは、意思決定に影響を与える要素を、
①粗利益率
②人件費
の2つに絞って検討してみます。
まず、①粗利益率ですが、A商品を販売することによって、全体の粗利益率が下がると考えられます。
しかし、粗利益額を考えれば「利益額増加」に貢献する(他の要素を考慮しなければ)と考えられます。
つまり、「貢献利益の増加」が見込まれます。
次に、②人件費の増加ですが、1日100個までの販売であれば増員の必要がないのですが、仮に150個の販売予測が立てられた場合を考えてみます。
この場合、増員が必要なので人件費が増加しますが、意思決定の決め手は、A商品販売による粗利益の増加分と人件費の増加分のどちらが大きいかということになります。
※現状、A商品100個、A商品150個のケースを比較 ↓
現状 手あまり状態 店員増が必要 (単位:千円)
月 商 10,000 10,000 10,000
売上原価 5,000 5,000 5,000
人件費 1,000 1,000 1,500
経 費 2,000 2,000 2,000
利 益 2,000 2,000 1,500
利益率 20% 20% 15%
A商品販売 100 150 (単位:円)
粗利率 10% 10%
単 価 500 500
数量(1日当たり) 100 150
粗利額(1カ月当たり) 150,000 225,000
総粗利 2,150,000 1,725,000
このように考えると、1日100個以内に限定して販売するのが得策と考えられます。
しかし、これだけが必ずしも正解とは限らず、現実には「テスト販売」を行ったり、「リアルオプション(段階的に販売を拡大)」の手法がとられます。
新商品を扱うかどうかを決定するには、利益総額が増えるかどうかがポイントとなり、利益額の増減を決定する要素は、
①限界利益(売上-変動費)がプラスであるか
②原価以外の費用がどの程度変化するか
競合や経営環境の変化等、その他影響要因を除けば、以上2点となります。
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