◆固定費の変動費化
大幅な売上増が期待できない状況の中で、「コスト削減」に取り組んでいる企業が多いのが現状だと思います。
売上が下がっても増収させる体制の確立に欠かせないのが「損益分岐点」の管理です。
そのひとつとして、原材料費など操業度に連動する「変動費」を下げるだけでなく、操業度に関係なく売上がゼロでも一定額発生する「固定費」を変動費化させることによって、売上の増減が利益の増減に与える影響を減らすことを考えます。
一般に、売上規模と利益額が同じ企業でも、固定費の比率が高くなると損益分岐点が上がり、利益が出にくくなります。
固定費の高い会社は、固定費が低い会社に比べ変動費率が低く、売上高が損益分岐点を超えて増加した場合は利益の増加額も大きくなりますが、反面、売上高が減少し損益分岐点を下回れば、固定費が低い会社に比べ利益の減少も大きくなるという特徴があります。
右肩上がりの時代なら、固定費を増やしても、損益分岐点を超える売上高を達成していけば利益も得られたでしょうが、現在は、デフレ経済に強い変動費型のコスト構造が求められています。
しかし、固定費を下げるといっても、これを大幅に圧縮するのは困難です。したがって、固定費を下げる努力を行いながら、固定費を変動費化するという視点も併せ持ちながら検討していく必要があります。
◆固定費の性格
固定費は、次の2つに分けられます。
①既に支出が行われた固定費(例:機械減価償却費、建物減価償却費) ②これから支出が予定される固定費(例:給与、機械リース料、支払利息)
減価償却費は、既に購入した有形固定資産を、毎期費用として配分していくものです。過去に支出が完了していますので、キャッシュフローに影響を与えないことから「非キャッシュフロー固定費」といいます。
給与やリース料などは、これから支出が予定される費用です。キャッシュフローに影響を与えるため「要キャッシュフロー固定費」といいます。
変動費はこれから支出が予定される費用ですから、キャッシュフローに影響を与えます。「これから支出が予定される費用」という特徴をみると、変動費と要キャッシュフロー固定費とは、互いに共通する性格があります。
コメントする