昨今の厳しい経営環境の中で、自社が維持・存続していくためには、めまぐるしく変化する環境への対応を行う必要がありますが、環境変化や競争に対して受け身で対応するだけでは十分とはいえないのではないでしょうか。
環境変化の中に新たなビジネスチャンスを発見したり、自社の強みを再度見直すとともに自社独自の技術力を高めたり、組織風土を改革したりすることによって、社会や顧客に対し今までにない新しい価値を提供することを検討します。
環境変化に積極的に対応することは、自社の経営を見直し積極的に改革を図る活動、いわゆる「経営革新」といえます。最近では、この「経営革新」に積極的に取り組む企業が増えているように感じます。
ところで、「経営革新」とほぼ同じ意味に使われる言葉に「イノベーション」という言葉があります。イノベーションというと「技術革新」と訳されることもありますが、ここでは「革新」(として捉えています。(参考:イノベーション フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
経済発展が「イノベーション」によってもたらされることを明らかにしようとしたのは、オーストラリアの経済学者ジョセフ・シュンペーター(1883~1950年)です。
彼は、イノベーションを【経営資源の「新しい結合」によって起きる、従来の延長線上での改善の積み重ねとは違った、非連続的な変化を言う。】とし、この変化を創造的破壊と呼んでいます。
イノベーションとは、"経済活動の中で生産手段や資源や労働力などを今までとは異なる方法で「新結合」すること" そして、具体的なイノベーションのタイプ(類型)として以下の5タイプを示しています。
①未知の新商品や新品質の開発→プロダクト・イノベーション
②未知の生産方法の開発→プロセス・イノベーション
③新市場の開拓→マーケティング
④ものの新しい供給源の獲得→サプライチェーン・マネジメント
⑤新組織の実現→組織イノベーション
イノベーションを「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)とするならば、自社の経営においてこれらを「創造」することを積極的に考える必要があります。
そのためには、外部環境や内部環境を分析し、経営革新の目的を明確にして経営計画を策定し、それを実行していく必要があります。
中小企業庁では、「経営革新」を促進させるために、中小企業新事業活動促進法を策定し、一定の基準を満たした「経営革新」を行う中小企業に特別の支援策を行うことを定めています。
◆経営革新計画承認について
①中小企業新事業活動促進法では、一定の基準を定め、その基準を満たしている経営革新計画で都道府県が承認した計画を、経営革新計画承認といいます。
② 同法では、「経営革新」に当たる取り組みとして、次の4つを挙げています(第2条5項)。
1)新商品の開発又は生産
2)新役務の開発又は提供
3)商品の新たな生産または販売の方式の導入
4)役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
③ 支援の内容は、以下の通りです。
1)税の優遇措置
2)保証・融資の措置
3)投資・補助金の支援措置
4)販路開拓の支援措置
5)その他の優遇措置
経営革新計画承認を得ることにより、経営面で様々なメリットを享受することができます。具体的には以下のようなものがあります。
①経営革新計画策定のプロセスにおいて、自社の中・長期的なビジョンが明らかになり、自社がさらなる成長・発展を目指すための課題が明確化され、具体的な行動プランが組織内で共有化される。
②自社の本質的な問題が明確化されることによって、解決すべき課題が明らかになり、対応策の策定が可能になる。
③経営計画策定のプロセスにおいて、組織内に「学び」や「気づき」の機会が提供され、目標が共有化されていく。従業員のモチベーションの向上に役立つ。
④都道府県知事より計画の承認を受けることにより、取引先や金融機関などへの認知度が向上し、対外的な信用度が高まる。
経営革新計画承認という目標を設定し、施策を活用しながら「経営革新計画」を策定していくことで、組織内にイノベーションがおこり、「問題の見える化→課題の理解と共有→解決策の立案と実行」と、社会や組織が求める姿、自社のあるべき姿に近づいていくことが期待されます。

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